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かつて震災と大火に見舞われ、一度は焼け落ちた街――音羽。
そこは現在、ヨーロッパの童話から飛び出してきたような、美しい街並みとして甦っている。
まるで、忌まわしい災厄の記憶を覆い隠すように……。
相対群像劇『ef - a fairy tale of the two.』。
全6章・二部形式でお届けする物語のうち、今回は第二部、『ef - the latter tale.』のストーリーをご紹介します。 |
クリスマスの夜。
遠い約束の果てに再会した2人――火村夕と雨宮優子。
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互いが離れていた空白の時間。
それを埋めるため、雨宮優子は自分の関わった2つの物語を語った。
そして彼女は、真摯なまなざしで火村に問いかけた。
「私も知りたいんです」
「私が知らないあなたのことを――教えてほしい」
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火村は語る――。
「彼女がいたから、俺は優子がここで待っているって知ることができた」
「直接ってわけじゃないけど。少なくとも、きっかけを作った人間の一人だ」
「それに、おまえが話した物語との深い関わりも持っている」
「彼女の名前は、新藤千尋」 |
親の都合で海外を転々とし、深い友人付き合いを経験したことのない青年・麻生蓮治。
ある冬の日、彼は無人の駅で、ひとりの少女と出会った。
左目を眼帯にふさがれ、空を見上げていた少女・新藤千尋。
“物語”のような出会いを求めていた蓮治にとって、それは運命の転機となった。
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お互いに人見知りしながらも、千尋は勇気を振りしぼって蓮治に告げる。
「私と友達になって頂けませんか?」
小説という共通の趣味を通じて、親しくなる2人。
だが、その方向性はまったくの正反対であった。
特殊な障害に苦しみながらも、自分の力で“物語”を生み出そうとする千尋。
ただ“物語”に憧れを抱いていただけの蓮治は、その姿に心を揺らす。
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2人は他愛のない日常生活のなかで心を通わせていく。
しかし、いつしか時間という普遍の存在も、彼らの間にミゾを生みだしていった。
千尋のために苦悩する蓮治に、火村夕が告げる。
「たぶん、俺はおまえが知りたいことの答えを知っている」
「でも、それが正しいか間違っているかはわからない」
「答えは、ただ答えでしかないんだ――それを理解しないといけない」 |
夢を叶えるための現実。
スタートラインに立つための勇気。
2人の“物語”の結末は、大きく異なっていた。
to be continued.
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